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建設関連地質調査

トンネル・ダム・橋梁・道路

これらの土木建築工事を行うにあたっては、その基礎の地盤を十分に把握し、建築物の安全・安定・経済性に配慮して設計を行う必要があります。
 
机上での計画に沿って既存資料を基に現地下見を行い、概要計画を作成します。
現地調査としてはまず、地質踏査ボーリング調査を実施します。ボーリングはあくまで点の調査ですが、資料を直接手にでき各種室内試験により、地盤の物性を明らかにできます。またその孔を使って様々な原位置試験物理検層ができます。
全体をカバーする調査を行うためには物理探査が有効です。風化の状態や破砕帯の調査としては弾性波探査が有効です。これは地盤の硬軟に関係する弾性波速度(P波)の分布で地盤の状態を明らかにします。
 
また電気探査は地盤の電気的比抵抗値を測定します。これは水を含んだり、風化・破砕した部分で比抵抗値に変化を生じ、また地質の違いによる変化を示します。限られた範囲の断層・破砕帯等の状況をより正確に出したい場合はジオトモグラフィ探査が有効です

港域護岸・防波堤・浚渫・埋め立て

海上においても土木工事を行うにあたって、その基礎となる地盤や堆積地層の状況を十分に把握する必要があります。
水深が浅い場合は櫓や台船を使い、ボーリング調査を実施します。陸上と同様に各種試験・物理検層ができます。海上では船舶による移動が容易であり、また水は振動をよく伝えるため、音波を利用した調査方法が行われます。深浅測量は音響測深機で水深をはかります。また周波数を低くしてエルルギーを上げると、海底面下の地盤内の情報が取れます、これを一般に音波探査と呼びます。基盤までの堆積層や風化層等比較的浅い地層を良く知るにはシングルチャンネル音波探査、基盤内の破砕帯断層等を比較的深くまで知りたい場合はマルチチャンネル浅層反射で実施します。

ボーリング結果や音波探査結果を比較して、精度のよい地質調査ができます。

高層建築物、風力発電、耐震構造物

近年都心において高層ビル、高層マンションが多く建設されています。しかし日本の都市の多くは、河川や臨海部の堆積層の厚い部分に多くあります。
これらの建築物はまず十分な基礎地盤に支えられる必要があります、さらに耐震性も求められます。
 
まずボーリング調査により支持層となりえる、地層を調べます。原位置試験室内試験等を行い支持力、液状化を検討します。また地震対策として地盤の卓越周波数、増幅度等を物理検層常時微動測定により求め、耐震設計に生かします。
また都心ではなくても、高層建築物に匹敵する、風力発電や、特に耐震性が求められる構造物も同様に調査が必要です。  

低層建築物

宅地造成地等で建設物の不等沈下等の問題が起こります。前もって地盤状況を調べておくと安心です。地盤構造を調べるための、ボーリング調査や、簡易的に地盤の軟弱状況を手軽に調べられる簡易貫入試験があります。

推進管(下水管)工事

下水管等の設置工事では、開削工事と推進工事の方法があります。
通常はボーリング調査を50m~100m間隔に実施するのが一般的です。しかし途中に岩盤の凹凸があったり、軟弱層があったりすることがあります。途中の状況を効率よく探る方法として、表面波探査浅層反射法探査があります。
 
これらの方法は人家が近い場所等で行える方法です。浅層反射法探査の発振源にS波を用いた場合には、両方とも弾性波(S波速度)の速度断面として示されます。重要な部分ではボーリング孔内で物理検層をまた、ボーリング資料で室内試験を実施し、地盤の強度・支持力、液状化の検討を行います。
 
さらに推進管施工時に良く障害物に当たることがあります。残置してあった矢板や杭などが多いです。これら障害物を鉛直探査にて位置深度を明らかにすることで、障害を避けながらあるいは対策を取って施工できるようにします。

地下ダム

おもに沖縄県において、琉球石灰岩等のポーラスな地盤で地下ダムの建設が行われます。不透水層を底とし下流側をグラウト遮水します。地質構造をできるだけ正確につかむ必要があります。基本はボーリング調査ですが、その間を物理探査で補完します。
調査方法としては電気探査浅層反射法探査ジオトモグラフィ探査、ボーリング孔内での物理検層が行われます。
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